服が売れない

 


Instagramについて考える - inoweblog


以前書いたブログ。今6つしか記事ないけどその中でこれが一番閲覧されているらしい。わかる、わたしもこれは我ながらよく書けていると思う。まあ実際はわたしの文章が良いとかではなく単純に今もっともアツいワードがInstagramということなんだろう。インスタ映え流行語大賞にまで選ばれたもんな。

今回はこの続きの話。ではなく服の話。でもInstagramも少し関係している。

 

相変わらずInstagramを扱う仕事は続いているし、リサーチのために時間さえあればずっとインスタを見ている。

#お洒落さんと繋がりたい 系のタグも一時期毎日のように見ていたけどもう辛くなってきちゃったしそもそもこのタグの住人たちを気にかける必要もないような気がしてきたので最近は見るのをやめた。あのタグの住人たちは本当に酷い。ファストファッションのブランド名のうしろに女をつけて「ザラジョ」「ユニジョ」などと呼ぶ文化とか何だ?キッモ。

 

でもハッシュタグを見ることをやめたからと言ってZARAUNIQLOの存在を無視するわけにはいかない。あとGU。今、というかまあもう結構前からだけど、これらファストファッションの存在によってアパレル業界はずっと瀕死状態で、インスタの流行のおかげでここ最近は更に追い討ちをかけられている。

 

UNIQLOはやっぱりその手のブランドの中では品質に長けているし企業やブランドとのコラボレーションが多いのも強み。次はマリメッコとタッグ組むらしい。すげぇ、絶対売れるじゃん。最近話題のUniqloUもシーズンを重ねるごとに人気があがっていて即完アイテム続出。これは個人的には微妙だと思っている。

そしてそんなUNIQLOを差し置いて今グイグイと勢いがすごいのはGU。

GUはちょっと前まで本当にこれは布か?みたいなペラッペラなよくわからん素材の服を売っている印象だったけど最近はそれなりの布になったので1シーズンだけ着る分には全然イケる。デザインが流行をがっしりと捉えているのも強くて、ハイウエストのベルトパンツ、お袖がポワンとしているブラウスなど次々と出していて要するに典型的な量産型なんだけど爆流行りしているアイテムをそれなりのクオリティで破格で出しているからもうどこも勝てない。

そもそもウィメンズ服の流行サイクルはメンズよりも格段に速くて、いま流行っていても次の年にはもう廃っていたりするからそんなものは尚更手頃な価格で買いたいじゃん?じゃあGUで済ますよね。今の中高生は流行りの服を安くで手に入れられるという意味では本当にいい時代に生まれたと思うぞ。あとGUは何よりも広告の中条あやみが可愛い。

ZARAファストファッションのくせに価格帯がちょっと高い。何年か前のGUみたいにこれは本当に布か?みたいな服を未だに出している。でもバッグやシューズが強みだと思う。何が強いってデザイン。別に独自性があるとかではない、むしろ逆。超パクってる。しかもGUのように量産型でどこにでもありふれたデザインのものではなく、セリーヌやステラマッカートニー等の世界的ハイブランドの有名なデザインをパクってるから更にタチが悪い。元ネタが即バレ。いつか訴えられるんじゃないのかな。

まあ著作権問題は置いておいて、女子が憧れるハイブランドのお靴ですよ?とにかくデザインが可愛いわけ。

ZARAはそれを真似るのが上手い。上手い?もうよくわからないけど、とにかくあの会社の製品はハイブランド模倣品の巣窟。本家で10万くらいする可愛いお靴とおんなじデザインのものが10分の1以下の金額で売られてたらGUで買い物を済ます女はそりゃあ後者を買うよね。そもそもパクりだってわかってる人がどれだけいるかも怪しいけど。

 

ちょっと長く語りすぎた。ここからがやっと本題。服が売れない。

正確には作りが良く、本来売れていいべき服が売れない。ここ数年で上にあげたようなファストファッションのクオリティと勢いが上がったこととインスタが流行したことによって。

 

時代は質よりインスタ映えなんですね。実物を見て触ったら分かってしまっても、画面を通しちゃえばGUで1480円で売ってるニットも、作りに拘ったハンドメイドの7万円のニットも違いがわからない。インスタで画面の向こう側にいる見ず知らずの人を相手にお洒落風な自分を演出するためならわざわざ高い服を買う必要がない時代。ちなみにアクネストゥディオズのブランドタグやショッパーをインスタにこれ見よがしと投稿するのはまた全然違う人種なのでここでその話はしない。

安価で服を買いそろえることが一種のステータスとなっているのも問題で、わたしの嫌いな言葉『プチプラコーデ』ってやつ。全身1万円以下のコーディネートで、お買い物上手な人が崇められるインスタ界。お洒落な一般人のインスタグラマーがGUの服を褒めたらそれをみんながこぞって買う。現代のムーブメントの大半はインスタから作り出されている。

 

別にファストファッションの店で服を買うことを否定するわけではない、誰だってお金に余裕があるわけではないし。服は生活必需品だけど、食べ物と同じで毎日インスタントラーメンで生活を凌いでいる人もいれば毎日ステーキ肉を食べている人もいる。ステーキは贅沢、価格が高い服は娯楽の域だ。それにわたしだってUNIQLOで買い物はする。全身コーディネートはしないにせよね。

ただ、あまりにもそこで満足してしまう人口が増えすぎてしまった。そのとき凌ぎのお洒落で、質が良いひとつのものを何年も長く着続けたいと考える人が今は本当に少ないと思う。

 

わたしが勤めるアパレル社はファストファッションブランドではないし、オリジナル製品に関してはまあそれなりだけど、仕入れに関してはパターンからそのブランドや会社がオリジナルで作っているような"良い服"の国内外ブランドを扱っている。それぞれに作り手のこだわりがあって、絶対に売れていいもののはずなのに売れ残ってしまうのは消費者側が服にお金をかけるという概念を持っていないからだとわたしは思う。可愛いと思っても高いから買わない。安くで似たものがあるからそれで良い。どこどこのコートに似てる〜!可愛い〜!わたしも欲しい〜!!とコメントを送り合うInstagramの住人たち。このままだと本当にアパレル業界は死んでいく。

 

はじめに #お洒落さんと繋がりたい 民の皆さんにろくな奴がいないと言ったのはそういうことで、このタグを使っている人たちにとってはお洒落さん=プチプラでトータルコーディネートが上手でお洒落っぽい人というのが常識になりつつある。9割方がそれ。高級品ばかり身につけることが真のお洒落だとはまったく言えないけれども、"センスが良い"と"質が良い"はある程度比例すると思うし、"出費をケチる"とお洒落"はそう簡単には結びつかない。お洒落をしたいなら金を積め。GUで同じデザインの服を2色買いしてんじゃねえ。

コスパを重視する多くの人に、値は張るけれども確かに良いものをどうやって伝えたらいいんだろう、どうしたら伝わるんだろう。どうすれば手に取ってもらえるんだろう。そういうことを最近は考えている。

 

あれ、でもそうなると一度は見るのをやめたお洒落さんと繋がりたい人たちのことも結局気にしなきゃいけないのかわたしは。どうしよう、それはものすごく地獄だ。