ライブを観に来る関係者、出演者の三親等以内の親族以外は禁止な

 

タイトルで今日の話したいことは全てです。

Twitterで済む話だった。

 

これで終わるのもアレなのでもう少し詳しく話しますが、以下ただの暴言です。ご了承ください。

 

基本好きなバンドのライブは絶対に行きたいので最速先行から外れまくったとしても一日中Twitterに張り付いてチケットを探しそして見つけ出したりする。わたしはそういう女だ。

でもどうしてもその努力も虚しく涙をのんで諦めたライブが過去にいくつかある。たとえば去年のファンクラブ会員限定サカナクションデビュー10周年記念公演とか。なんならそれしかない気がする。あと何かあったかな。大抵はチケット見つかるんだよなわたしの諦めの悪さはすごいから。

とにかくそのライブに関しては仕事の休みもとってギリギリまで粘ったけどダメだった。最近普及しつつある公式チケットトレードシステム、とても画期的だと思うけど全部が運任せなのが本当に無理。どうしても手に入れたいものは運ではなく自分の手で手繰り寄せるものなんだよ、わかるか?申し込みだけしてあとは当選落選の連絡を待つだけなんてやってられるか。なのでこのチケットトレードシステムを廃止するべく一刻も早く高額転売屋はこの世から滅してください。高額で買う奴ももちろん然り。紙チケット文化、俺は全部定価でやりとりする人間だから頼むのでかえってきてくれ。

なんの話だ?わたしは高額転売禁止の話をしたいわけではない。もちろんその意見には賛成だけど、今回はその話じゃない。

 

そう、チケットトレードシステムは運任せだからわたしがどれだけ足掻いても無駄で、結局そのライブのチケットは手に入らなかった。どうしても行きたいライブに行けなかった。本当に悔しかった。それはでもまあ、仕方がない。イープラスのシステムが決めたことだから。機会があったらサーバーを叩き潰してやりたい。でもとにかくわたしには運がなかった。それだけの話だ。

でもね、じゃあそのライブが終わったあとのInstagramよ。わたしは唇を噛み締めながらサカナクションハッシュタグで検索するわけ、厳選なる抽選の結果チケットがご用意された選ばれしファンたちの感想を見ようと思ってね。そしたらまあ出てくる出てくるメンバーとその日そのライブを観た業界関係者たちの集合写真。いやファンクラブ会員限定ライブなのにお前ら絶対に会員じゃないじゃん。

過去にサカナクションのミュージックビデオを撮った映像監督とかね、ギリギリ許すけど。その関係者の恋人とか家族みたいな人までいるのは何?お前は直接的にまったく関係してなくない?

 

この日ライブのチケットが手に入らなくて泣きながら生配信を観たファンは絶対にわたし以外にもいたはずで、その人たちも、わたしも、ファンクラブにお金を払って、いけるライブに行って、CDもDVDもグッズも買って、純粋にね、バンドを応援したいファンであり一般人なんです。その人間の数はライブハウスのキャパシティに対してどうしても多いから抽選に外れてしまったわけなんだけど、それなのになんでお前は関係者の関係者ってだけで本来わたしたちファンが入れたかもしれない会場のスペースに入っちゃってんの?やんのかオイコラ表出ろや絶対に論破してやるからな。

 

昔、UVERworldのライブへ行って開演前にその会場内で関係者が貰えるバックステージパスが落ちているのを見つけたことがあった。

わたしはその公演のチケットを入手したからもちろんその場にいた訳なんだけど、バックステージパスに対する憧れがね、あって。その権利ではなくパスステッカーに対しての。ステッカーを集めるの好きだから。好きなバンドのロゴとライブの日付が入ってるステッカー、記念にちょっと欲しいじゃん。だから拾ったのね。で、友達に「見てパスステッカー落ちてた!貰ってもいいかなあ」とか言いながら見せていたらなんか知らんギャル2人が「すみませぇ〜んそれアタシのですゥ〜〜〜」っつってやってきたの。

そのギャル'sが関係者枠でそのライブに来ていたことはたぶん間違いないんだけど、いやそもそもお前誰だよどこの関係者だよTAKUYA∞の何番目の女だよハァ?絶対にァタシのほぅがタクヤのこと好きだヵラまぢお前死ねョとか考えて後からジワジワむかついたんだよね。

 

ライブを観に来てる関係者って本当に幅広い。

レーベルの社長もいれば、出演者の友人、ギャルまでいる。レーベルの社長はわかるけどギャルはわからん。友人も正直わからん。友人かつすごくそのバンドが好きとかなら許せるけど、それでライブ来てろくにステージも見ずにただ酒飲んでる奴とか絶対いるでしょ。許せなくないですか?

 

ということでバンドマン各位、関係者枠は分かりやすくかつファンが納得できる範囲『ライブを観に来る関係者、出演者の三親等以内の親族以外は禁止』にしてくださいどうぞよろしくお願いします。

 

苦手なもの

 

歩き煙草

画質が悪い画像

残り充電量が30%を切った電子機器

剥げたマニキュア

伸び切ったジェルネイル

すぐにほどける靴紐

回線速度が遅いネット環境

片耳しか聞こえなくなったイヤホン

怒られること

理不尽なこと

無意味なLINEのやり取り

延々に通知が来るグループLINE

音をたてながら食べる人

毛玉がついた服をそのまま着る人

傘を地面と平行に持って歩くおじさん

電車の乗車列に横入りしてくるおばさん

電車でビールと柿ピーを広げるサラリーマン

筋肉がすごい男の人

八方美人の女

投稿数1しかないような長ったらしいハッシュタグ

似合ってないマルジェラ足袋

パツパツのチノパン

太った人が身につけるパステルカラーとチュール

3月半ばを過ぎているのにウールコートを着る人

金木犀の香りに敏感な女

時間を守らない人

意思の疎通がとれない人(子供も大人も)

 

など。まだまだある。

 

わたしはたぶん普通よりも苦手なものや人が多すぎて、本当に世の中は生きづらい。嫌な人間だなぁ、ちっちゃいなぁ、と自分でも思うし、色んな人から疎ましく思われてることもわかってるよ。わかっているんだけど、これがわたしという人間なので仕方がない。

もうひとつ、とても苦手なことがあって、それは自分がやりたくないことをやること。みんなそうだと思うんだけど、人一倍それに対する嫌悪感が強い。

 

学生時代、『課題をやるため』『ライブに行くため』それらの資金を稼ぐバイトをするため、そして貴重な睡眠の時間を割いてまで就職活動をする理由がわからなかった。そこまで自分の時間を犠牲にして就きたいと思える仕事もなかった。大学の就職部から2日に1回くらい着信があったけど全部無視。学校の就職率をあげるためにとりあえずでやりたくない就職活動をやって、やりたくもない仕事をしてやるなんてまっぴら御免だ、と。

結果、大学を卒業してからはじめての新年度、4月1日の朝をわたしは渋谷の一蘭でラーメンをすすりながら迎えることになる。最低な新社会人だったと思うし、新社会人と名乗れる土俵にも立てていなかった。

 

そのあと結局なんとなく販売のバイトを1年と少しやってまた後先考えずに退社、2ヶ月フラフラ無職をやって今の職場に就いて今月で半年目。

何度か話しているけど今の仕事は "やりたいことをやるため" のきっかけに過ぎなくて、別に自分の望む理想がはじめから叶うとは思っていないし、キャリアアップのためだと思って納得してやっている。土台が出来上がればいつだってまた転職する気満々。終身雇用なんて言葉をわたしは知らない。

 

でも『新社会人』『新卒』というブランドをもらえるチャンスはどうしたって人生に一度きりしかなくて、そのチャンスを逃すともう二度と手に入らない。それを新卒という形にはこだわってないからと簡単にドブへ捨てたことを反省はしている。後悔はしてないけどね。

やりたくもない就活を嫌々やって、2年前に新卒としてどこかの企業に入社していたら今頃わたしはどんな生活をしていたんだろうな。ふとそんなことを思いながら24歳の春を迎えている。

 

とりあえず今年度一発目の失態は通勤定期を更新するのを忘れて改札を通ってしまったこと。都内までの片道交通費、馬鹿にならないんだってば…

こんな小さいことで落ち込む24歳の春。

 

 

 

私的 冬に聴きたい曲10選

 

クリスマスも終わっていよいよ年末感がすごい。もう仕事納めしている人とか結構いるんでしょ?いいなぁこちとら大晦日まで働くし仕事始めは1月2日からやぞ。

今まであんまり考えたことがなかったけどわたしは年末が苦手かもしれない。何があるわけでもないけど無駄にそわそわしてしまって気持ちが落ち着かない。今日もあまり仕事に集中できなかった。集中力が切れた状態での残業なんて誰も得しないのでさっさと諦めて定時きっかりに退社したのだけど外に出たら寒すぎて思わず職場に引き返したくなった。

寒いのは苦手だ。暑いのはもっと苦手だけど。でも寒い空気を感じながら好きな音楽を聴いて夜道を歩くのは結構好き。そんなわけでわたしが冬に聴きたい曲を10曲解説付きで挙げてみようと思う。まあすでに何度もTwitterで話している内容なのでこんなに改まって書くようなことでもないのだけど。

 

ムーンソング / [Alexandros]

音源で聴くと良さが全然わからないバンド。たまに無性に聴きたくなって再生するけどすぐに飽きる。自分でも何が好きなのか本当にわからない。ライブで聴いても「洋平、歌下手じゃね?」「ギターちゃんと弾けや」などと思ってしまう。でも何故か好き。でもまあ結局一番好きなのはボーカルの顔です。

そんなアレキサンドロスだけどこの曲は音源でもすごく好き。タイトルはカタカナでムーンソングってくそダサいけど。湿気った花火という言葉は夏から季節が過ぎてしまったことを指していて、冬の冷たい水面に浮かぶ月を想像する。

 

BLUE TEARS / JUDY AND MARY

この映像のYUKIが可愛い。むちむちの太ももがエロい。

母親がジュディマリを好きで、CDをしょっちゅう車の中などで流していたから小学生の頃から自然とよく耳にしていたし歌詞カードなんて一回も見たことないけどベストアルバム『FRESH』に入っている曲ならほとんどソラで歌える。この曲ははっきりと雪というワードが入っているから冬の曲だとわかるけど"小さな頃から"もギターとその後ろに入ってるシンセの音から冬っぽいなあと思う。

 

We have no doubt / BIGMAMA

どこかの誰かが作った謎の非公式映像。画像のチョイスが理解不能。でも和訳した歌詞を載せてくれているのでよかったら確認してくれ。わたしがこの曲で冬を連想するのは学生の頃にアルバイトしていた店内BGMで冬の時期に使われていたから。基本洋楽チョイスのプレイリストだったのだけど何故かこの曲やエルレなどが混じっていた。歌詞が英語だったら何でも良いんかい。

 

Till Dawn / The fin.

とにかく最高なのでまずは聴いてくれ。こういう音楽って普通の邦楽のようにわかりやすい曲の展開や盛り上がりが少ないからどうしても聴きづらいなと感じてしまうのだけどfinはとにかく心地いい。声なのかなぁ。代表曲の"Night Time"は夏のイメージだけど、それ以外の曲は冬っぽい印象が強い。ミュージックビデオのせいかな、だいたい冬服なんだよね。全編英語の歌詞でいちいち全部和訳していないので歌詞の内容は正直全然わかっていないのだけれども。

 

フユノ / ヒトリエ

ボカロのプロデューサーとしてその界隈から崇められる存在のwowakaを中心としてニコニコの中の凄腕且つヤバい人たちを集めたとにかくヤバいバンド、ヒトリエ。ドラムとベースがめちゃくちゃうるさいしエグく上手い、ギターは弾かずに手足をバタバタさせていることが多い、早口の歌、高音ボイス。ニコニコ出身と知って納得せざるを得なかったこのバンドなんだけど、その偏見から入ってこの曲を聴くとお前らこんな曲作れたの…?とびっくりする。他のヒトリエの曲が苦手に感じる人でもフユノはちょっと聴いてみて欲しい。MVはサカナクションの目が明く藍色などを撮っている島田大介監督。すごく綺麗。

 

銀河 / フジファブリック

監督はオドループのMVと同じ人です。もうこういう映像を撮る人のイメージしかない。丘から見下ろした二人は白い息を吐いたという歌詞からもう完全に冬の曲。「真夜中二時過ぎ二人は街を逃げ出した」という冒頭の歌詞、天体観測とちょっと被るよね。フジファブリックは季節感が強い曲が多い気がする。春夏秋冬で聴きたい曲がちゃんとある。春は桜の季節、夏はSurfer Kingと若者のすべて、秋は赤黄色の金木犀。ちなみに雨の日に聴きたいのはサボテンレコード。

 

ハイウェイ / くるり

肌寒くなってきた季節に見たい映画といえばサブカル女の御用達『ジョゼと虎と魚たち』そしてジョゼといえばこの曲。妻夫木聡ってまじでずっと見た目が変わらないのですごい。ハイウェイは冬の朝に聴きたい。明け方くらい。

 

マカロニ / Perfume

のっち〜〜〜〜かわいいよ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!女心を理解しすぎている系男子こと中田ヤスタカ。まじでどんな顔をしながら歌詞を書いているの。この曲をライブでやるとスタンドマイクが出てきてそれを使ったダンスを3人がしてくれるんですけど本当に可愛くて涙がでてくるのでYouTubeかどっかで探して見てください。

 

さよならはエモーション / サカナクション

お待たせいたしました、サカナクションです。サカナクションは冬と夜がよく似合うバンドなので本当は全曲を冬に聴きたい曲に挙げてもいいくらいなんだけどまあ強いていうなら。これか、ネイティブダンサーかフクロウかアンタレスと針かドキュメントか…選べない。あと個人的に一郎さんのタートルネック姿が好き。去年CDJでトリをつとめたサカナクション、アンコールにこの曲をやってくれたのが本当に良くてイントロを聞いた瞬間にわたしは思わず変なうめき声がでた。

 

ソラニン / ASIAN KUNG-FU GENERATION

この記事を書くページから検索するとどうしてもミュージックビデオに引っかからなかったのでライブ映像で。まあわざわざ聴かなくても誰しもが知る名曲。冬・邦楽・ロックと言えばソラニン。でもこの映像、結構昔のものらしくゴッチの髪型がなかなかキモいのでちょっと見て。

 

 

【番外編】

Hard Days, Holy Night / ポルノグラフィティ

クリスマス終わっちゃったけど。クリスマスの夜に逢いたいけど逢えない恋人同士の歌をここまでポップに仕上げた曲をわたしは他に知らない。しかも会えない理由は距離が遠いからとかもう別れてしまったからとかではなく男の仕事が終わらないから。超現実。

今年のクリスマス、わたしがUVERworldのライブへ行っている間にTwitter上でオタクの人たちがワサワサしているのをこっそり見ていたけど、この曲をはじめて聴いた頃はもっと先の大人の話だと思っていたのに「今や就職一年目の悲しいかな社会人だぜ」の年齢を自分が追い越してしまったの本当にヤバいし、クリスマスに恋人に逢えなくて女が怒る情景はいつになっても変わらない。というかこの曲リリースされてから14年経ってるのヤバくないっすか。

 

 

以上です。昨晩この文章を突然書きはじめて気がついたら2時半をまわっていたし結局書き終わらなくて仕事に向かう電車の中で続きを書いている。超寝不足だ。何やってんだわたし。

Instagramについて考える

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仕事でInstagramを扱っている。

「インスタ映え」と騒いでカフェに行く人種がわたしは死ぬほど嫌いだし、大量のハッシュタグで話す頭が悪そうな女もこの世から消えて欲しいと思っている。夜中に自撮りと謎のポエムを載せるのはやめろ、その可愛くて愛らしいお顔とiPhoneのインカメをカチ割るぞ。

しかし仕事で関わってくるとなるとどうしてもその嫌いな部分についても考えなくてはいけない。

ウケるInstagramとは一体なんぞや。ポエムとなんら関係のない自撮りを載せた一般人の投稿に1000件も越えるいいねがつくのは何故なのか。

 

わたしは普段から人のインスタの投稿にそんなにいいねをつけない。あまりにもいいねを押さないものだからわたしからの通知がくると嬉しいとまで言う友人もいる。何もインスタのアプリを開いていないわけじゃないし、むしろ人よりチェックする頻度は多い方だと思う。ただ、いいねを押す基準がわからないのだ。

投稿したものに毎回必ずいいねをくれる人が一定数いる。あの人たちは何者?わたしは誰も金で雇ってなんていないぞ?

答えは簡単。『見たよ!という報告のため』または『その投稿者のことがめちゃくちゃ好き』。おおよそこのどちらかだ。わたし個人のインスタに毎回いいね押してくる人なんざ確実に前者だろうけど、インスタによるマーケティング市場に必要なのは後者だ。とにかくファンユーザーを増やさなくてはいけない。わたしの仕事はまさにそれで、インスタやブログなどネット上のツールを用いて会社のファンを増やすこと。

 

女の自撮りにいいねがつくのはその子が可愛いから。自撮りに添えられたポエムなんてみんなろくに読んじゃいないし、女だって見て欲しいのはポエムより自分の顔。いいねを押すユーザーは全員その女のファンだ。いいよな〜顔が良い奴は結局どこにいっても得をするようにこの世界は出来ている。

じゃあその原理に従ってフォトジェニックなものをアップしたらなんでもかんでもウケるのか?というとそれは違う気がする。今まで散々馬鹿にしてきたインスタグラマーもどうやら楽なポジションではないらしい。ごめんな、馬鹿にしてて。お前らすげえよ。

 

最近は暇さえあれば会社のアカウントを覗いているのだけど、急激にフォロワー数が増えてる!と喜んだ次の日の朝には増えた分また減っていて、まあまあ落ち込む。はぁ、フォロワー数の増減で一喜一憂するようなクソ女になり下がってしまったよぉ〜やだよぉ〜〜俺は承認欲求の塊だ〜〜〜〜

でもまあインスタ映えというワードが流行り出すよりずいぶん前からわたしは個人的にSNSにあげる用の写真にはこだわっていたし、ネトストも趣味のひとつみたいなものなのでネットの住人たちの分析をする作業は結構楽しい。

今まで暇つぶしでやっていたことが仕事となり、お金が貰えるの、すごくないですか?めちゃくちゃいい仕事を見つけたと思っている。

 

こんなことを思いながらわたしは今日もダニエルウェリントンのキャンペーンで割引クーポンを教えてくれる女のインスタグラムを見ています。はー、イライラしちゃうな。

夜間飛行の続きは夢の中

 

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わたしは気になったバンドのCDを聴こうとしたとき、最新のアルバムとファーストアルバムの2枚をまず選ぶようにしている。バンドの現在とその原点が知れる一番手っ取り早い方法だと思うから。6年前、18歳だった頃のわたしがサカナクションのCDを初めてTSUTAYAでレンタルしたときも例外なくそうだった。

そもそも何故サカナクションに興味を持ったのかはあまり覚えていない。バンド名が変わっているから目についたくらいだった気がする。最近人気なの?へぇ〜と思った程度。

 

ポルノグラフィティUVERworldの音楽だけを聴いてわたしは中学高校の6年間を過ごしていたと言っても過言ではない。

その2つのバンドはわたしにとってはすごく大きな二車線道路で、途中試しに脇道へ入ってみたときもあるけど、すぐ行き止まりにたどり着いてしまって結局Uターンして大通りに戻ってばかりいた。

でも大学受験が終わり生活が落ち着いたタイミングでまた少しずつ他の音楽も聴く努力をしはじめて、サカナクションという名前がちょっと気になるからどんな音楽かはよく知らないけどとりあえず聴いてみようと、当時最新作だった『DocumentaLy』とファーストアルバムの『GO TO THE FUTURE』の2枚を手に取った。

わたしがサカナクションの音楽に触れたきっかけはただバンド名が引っかかったという些細な好奇心からで、それまでも何度かあった脇道のひとつにしかすぎなかったのだ。

 

大学生になってからは旅行やライブの遠征を理由に様々な土地へ足を運ぶ機会が少しずつ増えていった。お金がないからほとんどが夜行バスでの移動。そんな夜行バスの中で子守唄のような感覚でサカナクションをよく聴いていた。何故かはわからないけど彼らの音楽を聴きながら眠りにつくのがとても心地よかったからだ。

2枚しか持っていなかった音源のうちのファーストの方をより好んで聴いていたのは、今思うとこのアルバムの楽曲がすべてBPM126で統一されていたせいかもしれない。

GO TO THE FUTURE

GO TO THE FUTURE

 

よく彼らの楽曲は夜のイメージが強いと言われ、実際わたしもそう思う。でもわたしの場合そう思うのは単に歌詞や音の世界観からではなく、夜行バスの中で繰り返し聴いていたという経験からだ。

曲を聴いて過去の記憶や感情を思い出すことがある人は多くいると思う。わたしにとってこのアルバムに入っている曲たちがそうで、夜行バスの中でふと目が覚めたときにぼんやりとした意識の中で見えたカーテンの隙間から入り込んでくる光や、寄りかかった窓の冷たさ、数時間後にまだ見ぬ土地へ到着するというドキドキ感、そういうものを思い出させてくれるのだ。

夜の東側という曲の "夜間飛行の続きは夢の中" という歌詞は、どことなくバスの中の情景に重なる。先日6.1chサラウンドライブで念願叶ってやっと聴けたときに、これまでこの曲に固執していた理由はこれか、とはじめて自覚した。

今年のツアーでは夜の東側の他にも、三日月サンセットもGO TO THE FUTUREも聴けて嬉しかったなぁ。三日月なんて5公演+フェスでも聴いたのに全部で大泣きしたけどわたしは何かの病気か?

 

脇道のひとつだったはずなのにどれだけ進んでも行き止まりはなくて、気がついたらずいぶんと大きくて広い道になっていた。

音楽との出会いはいつだって色んな偶然が重なっているもので、不思議なものだ。これももしかすると長い寄り道のひとつか、大きな遠回りなのかもしれない。それでもせっかくなのでサカナクションの次の未来をまだまだ見てみたいと思っている。

夜の東側

夜の東側

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