夜間飛行の続きは夢の中

f:id:nightfishingisgood:20171020180349j:image

わたしは気になったバンドのCDを聴こうとしたとき、最新のアルバムとファーストアルバムの2枚をまず選ぶようにしている。バンドの現在とその原点が知れる一番手っ取り早い方法だと思うから。6年前、18歳だった頃のわたしがサカナクションのCDを初めてTSUTAYAでレンタルしたときも例外なくそうだった。

そもそも何故サカナクションに興味を持ったのかはあまり覚えていない。バンド名が変わっているから目についたくらいだった気がする。最近人気なの?へぇ〜と思った程度。

 

ポルノグラフィティUVERworldの音楽だけを聴いてわたしは中学高校の6年間を過ごしていたと言っても過言ではない。

その2つのバンドはわたしにとってはすごく大きな二車線道路で、途中試しに脇道へ入ってみたときもあるけど、すぐ行き止まりにたどり着いてしまって結局Uターンして大通りに戻ってばかりいた。

でも大学受験が終わり生活が落ち着いたタイミングでまた少しずつ他の音楽も聴く努力をしはじめて、サカナクションという名前がちょっと気になるからどんな音楽かはよく知らないけどとりあえず聴いてみようと、当時最新作だった『DocumentaLy』とファーストアルバムの『GO TO THE FUTURE』の2枚を手に取った。

わたしがサカナクションの音楽に触れたきっかけはただバンド名が引っかかったという些細な好奇心からで、それまでも何度かあった脇道のひとつにしかすぎなかったのだ。

 

大学生になってからは旅行やライブの遠征を理由に様々な土地へ足を運ぶ機会が少しずつ増えていった。お金がないからほとんどが夜行バスでの移動。そんな夜行バスの中で子守唄のような感覚でサカナクションをよく聴いていた。何故かはわからないけど彼らの音楽を聴きながら眠りにつくのがとても心地よかったからだ。

2枚しか持っていなかった音源のうちのファーストの方をより好んで聴いていたのは、今思うとこのアルバムの楽曲がすべてBPM126で統一されていたせいかもしれない。

GO TO THE FUTURE

GO TO THE FUTURE

 

よく彼らの楽曲は夜のイメージが強いと言われ、実際わたしもそう思う。でもわたしの場合そう思うのは単に歌詞や音の世界観からではなく、夜行バスの中で繰り返し聴いていたという経験からだ。

曲を聴いて過去の記憶や感情を思い出すことがある人は多くいると思う。わたしにとってこのアルバムに入っている曲たちがそうで、夜行バスの中でふと目が覚めたときにぼんやりとした意識の中で見えたカーテンの隙間から入り込んでくる光や、寄りかかった窓の冷たさ、数時間後にまだ見ぬ土地へ到着するというドキドキ感、そういうものを思い出させてくれるのだ。

夜の東側という曲の "夜間飛行の続きは夢の中" という歌詞は、どことなくバスの中の情景に重なる。先日6.1chサラウンドライブで念願叶ってやっと聴けたときに、これまでこの曲に固執していた理由にはじめて気がついた。あまりにも潜在的な感覚すぎて、今までまったく気がついていなかった。

今年のツアーでは夜の東側の他にも、三日月サンセットもGO TO THE FUTUREも聴けて嬉しかったなぁ。三日月なんて5公演+フェスでも聴いたのに全部で大泣きしたけどわたしは何かの病気か?

 

脇道のひとつだったはずなのにどれだけ進んでも行き止まりはなくて、気がついたらずいぶんと大きくて広い道になっていた。

音楽との出会いはいつだって色んな偶然が重なっているもので、不思議なものだ。これももしかすると長い寄り道のひとつか、大きな遠回りなのかもしれない。それでもせっかくなのでサカナクションの次の未来をまだまだ見てみたいと思っている。

夜の東側

夜の東側

  • provided courtesy of iTunes